
ITエンジニア(システムエンジニア)におすすめの資格は、未経験・基礎レベルならITパスポート試験や基本情報技術者試験、経験者なら目指す分野に合わせた国家試験やベンダー資格です。資格は必須ではありませんが、知識を体系的に学び、スキルを客観的に示す手段になります。この記事では、レベル別・分野別のおすすめ資格を一覧表で比較し、取得メリットや効率的な学習のポイントを解説します。2027年度から予定されている情報処理技術者試験の制度変更(見直し案)についても紹介するため、資格選びの参考にしてください。
- ITエンジニア(SE)におすすめの資格一覧と比較
- 未経験者・経験者それぞれに合った資格の選び方
- 2027年度からの情報処理技術者試験の制度変更(見直し案)
- 資格を取得するメリットと効率よく学習を進めるポイント
ITエンジニア(SE)に資格は必要?
システム開発職に就く上で、特定の資格を取得していなければならないという決まりはありません。システム開発職は免許制ではないため、資格を持たずに第一線で活躍するエンジニアもいます。
それでも資格取得には意味があります。資格試験の学習を通じて、IT分野の知識を体系的に習得できるためです。基礎から応用まで順序立てて学べるため、未経験者にとって特に有効な手段です。また、資格は一定の知識を備えていることを示す客観的な証明にもなります。
実務経験が最も重要であることに変わりはありませんが、資格は将来の選択肢を広げる手段の1つといえるでしょう。
ITエンジニアが資格を取得するメリット
資格取得がその後のキャリアにどう役立つのかを解説します。
客観的にスキルを示せる
システム開発職は免許制ではないため、知識やスキルを第三者に証明するのが難しい職種です。資格を持っていれば、一定レベルの知識を備えていることを客観的に示せます。履歴書や面接でのアピール材料にもなるでしょう。
また、資格取得に向けて学習を続けたこと自体が、学習意欲を示す材料になります。
評価や待遇に反映される場合がある
企業によっては、資格取得者への手当の支給や受験費用の補助、昇格要件への反映といった制度を設けています。制度の有無や内容は企業ごとに異なるため、勤務先や応募先の制度を確認しておきましょう。
キャリアアップの際に強みになる
転職や社内での役割変更を目指す場面で、資格は専門知識を備えている証明として役立ちます。未経験からシステム開発職を目指す場合は、学習への意欲を示す材料にもなります。高度な資格を取得していれば、他の候補者との差別化もしやすくなります。
【2027年度〜】情報処理技術者試験の制度変更(見直し案)に注意
IPA(情報処理推進機構)は2026年3月31日、情報処理技術者試験の試験区分体系の見直し案を発表しました。資格選びに影響するため、主なポイントを紹介します(出典:IPA)。
- 継続する試験:ITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験
- 再編される試験:応用情報技術者試験と高度試験は大括り化したうえで再編し、「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」として「マネジメント」「データ・AI」「システム」の3領域で新設
- 新設される試験:主にビジネス部門を想定し、ITパスポート試験の次のステップと位置づける「データマネジメント試験(仮称)」
- 開始時期:ITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者は2027年度春頃、新設試験と情報処理安全確保支援士試験は2027年度夏~秋頃
発表時点では「案」であり、今後変更が生じる場合があるとされています。応用情報技術者試験や高度試験の受験を検討している人は、IPAの最新情報を確認したうえで受験時期を計画しましょう。
なお、2026年度(令和8年度)からは、応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験もCBT方式で実施されています(出典:IPA)。
ITエンジニア(SE)におすすめの資格一覧
本記事で紹介する資格を、レベルと分野で整理しました。
| 資格 | 主催・認定団体 | レベル | 分野 |
|---|---|---|---|
| ITパスポート試験 | IPA(国家試験) | 基礎 | IT全般 |
| 情報セキュリティマネジメント試験 | IPA(国家試験) | 基礎 | セキュリティ |
| 基本情報技術者試験 | IPA(国家試験) | 基礎 | IT全般・開発 |
| 応用情報技術者試験 | IPA(国家試験) | 応用 | IT全般・開発 |
| システムアーキテクト試験 | IPA(国家試験) | 高度 | 設計・上流工程 |
| データベーススペシャリスト試験 | IPA(国家試験) | 高度 | データベース |
| ORACLE MASTER | 日本オラクル | Bronze~Platinum | データベース |
| ネットワークスペシャリスト試験 | IPA(国家試験) | 高度 | ネットワーク |
| LinuC | LPI-Japan | レベル1~4 | Linux・インフラ |
| LPIC | LPI(カナダ) | LPIC-1~3 | Linux・インフラ |
| CCNA | Cisco | アソシエイト | ネットワーク |
| 情報処理安全確保支援士試験 | IPA(国家試験) | 高度 | セキュリティ |
| AWS認定 | Amazon Web Services | Foundational~Professional、Specialty | クラウド |
※IPAの試験は、2027年度から試験区分の見直しが予定されています(見直し案)。詳しくは前章を参照してください。
未経験・基礎レベルのITエンジニアにおすすめの資格
IT業界での経験が浅い人や、これからエンジニアを目指す人は、IPAの基礎レベルの試験から始めるのがおすすめです。3つとも2027年度以降も継続して実施される予定です。
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、IPAが実施する国家試験で、IPAは対象者像を「全ての社会人」としています。CBT方式で随時受験できます(出典:IPA)。
情報システムの仕組みやセキュリティ、ネットワークの基本、経営戦略やマネジメントなど、ITに関わる幅広い基礎知識を学べます。エンジニア未経験者や文系出身者がIT分野の全体像をつかむ第一歩に適しています。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、IPAが「ITの安全な利活用を推進する者」を対象として実施する国家試験です。CBT方式で随時受験できます(出典:IPA)。
情報管理の考え方や、サイバー攻撃・不正アクセスなどのリスクへの対策を学べます。開発現場で情報保護を意識する必要がある人や、セキュリティの基礎を固めたい人におすすめです。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IPAが「情報処理技術者」を対象に、基本的な知識・技能を問う国家試験です。CBT方式で随時受験できます(出典:IPA)。
プログラミングやアルゴリズム、データベース、ネットワークなど、システム開発に必要な知識を幅広く学べます。プロジェクト管理や法務など実務寄りの内容も含まれています。ITエンジニアを目指すなら、最初に取得を検討したい資格です。
開発・設計(SE)向けのおすすめ資格
システムエンジニアとして、設計や上流工程、データベースのスキルを伸ばしたい人に向けた資格です。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、IPAの応用レベルの国家試験です。2026年度からはCBT方式で年2回実施されています(出典:IPA)。
プログラミングやネットワーク、データベースなどの技術分野に加え、経営戦略やシステム企画まで幅広く学べます。基本情報技術者試験の次のステップとして、上流工程を担当したい人におすすめです。なお、2027年度からは高度試験とあわせて再編される見直し案が示されています。
システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験は、情報システムの全体設計に関わる高度試験です。2026年度からはCBT方式で年1回(前期)実施されています(出典:IPA)。
要件定義やアーキテクチャ設計など上流工程の知識を体系的に学べるため、開発チームのリーダーやITコンサルタントを目指す人に向いています。
データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、データベースの設計・構築・運用に関する高度試験です。2026年度からはCBT方式で年1回(後期)実施されています(出典:IPA)。
データモデリングや、効率的で安全なデータベースを構築・運用する知識を学べます。データベースエンジニアや、データ基盤を扱うエンジニアにおすすめです。
ORACLE MASTER
ORACLE MASTERは、日本オラクルが制定する、Oracle Databaseを扱う技術者向けの認定資格です。ORACLE MASTER 2019では、Bronze DBA、Silver DBA、Gold DBA、Platinum DBAと、SQLの知識を証明するSilver SQLが用意されています(出典:Oracle University)。
Oracle Databaseの運用管理やSQLを使ったデータ操作を体系的に学べるため、Oracle Databaseを使うシステムの開発・運用に関わるエンジニアに向いています。
インフラ・ネットワーク向けのおすすめ資格
サーバーやOS、ネットワークなど、ITサービスを支える基盤の設計・構築・運用に関わる人向けの資格です。
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワーク基盤の設計・構築・運用に関する高度試験です。2026年度からはCBT方式で年1回(前期)実施されています(出典:IPA)。
プロトコルやセキュリティ、可用性設計などを体系的に学べます。ネットワーク設計の中心を担いたい人におすすめです。
LinuC
LinuC(リナック)は、LPI-Japanが運営するLinux技術者認定試験です。LPI-Japanは「クラウド時代に求められるLinuxを中心としたシステム構築から運用管理に必要なスキルの証明ができる」試験としており、レベル1からレベル4(システムアーキテクト)までの4段階で構成されています(出典:LPI-Japan)。
Linuxサーバーの構築・運用に関わるインフラエンジニアに向いています。
LPIC
LPICは、カナダに本部を置くLPI(Linux Professional Institute)が運営するLinux技術者認定です。LPIC-1、LPIC-2、LPIC-3(複数の専門分野)で構成されています。LPIは180カ国以上で認定を行っているとしています(出典:LPI)。
LinuCとLPICはどちらもLinuxのスキルを証明する資格です。勤務先や応募先が評価する資格、キャリアの方向性に合わせて選びましょう。
CCNA
CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、ネットワーク機器メーカーのCiscoが認定する資格です。試験では、ネットワークの基礎、ネットワークアクセス、IP接続、IPサービス、セキュリティの基礎、自動化とプログラマビリティが問われます(出典:Cisco)。
ネットワークエンジニアとしてキャリアを築きたい人や、Cisco製品を扱う現場で働く人に向いています。
セキュリティ・クラウド向けのおすすめ資格
需要の高いセキュリティとクラウドの分野で、専門性を示したい人向けの資格です。
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、IPAが「サイバーセキュリティを推進する人材」を対象に実施する試験です。合格後に登録することで、国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」を名乗れます。2026年度からはCBT方式で年2回実施されています(出典:IPA)。
セキュリティを専門にしたいエンジニアや、セキュアな設計・開発を担う人におすすめです。
AWS認定
AWS認定は、クラウドサービスのAWS(Amazon Web Services)に関する知識とスキルを証明する認定資格です。Foundational、Associate、Professional、Specialtyのレベルがあります。基礎レベルにはAWS Certified Cloud Practitioner、アソシエイトレベルにはAWS Certified Solutions Architect – AssociateやAWS Certified Developer – Associateなどが用意されています(出典:AWS)。
AWSを使ったシステムの開発・構築・運用に関わるエンジニアに向いています。
ITエンジニアが資格を取得するための学習ポイント
資格を効率よく取得するには、資格選びや学習の進め方の工夫が重要です。
目的と最新の試験制度を踏まえて資格を選ぶ
資格取得はキャリアを築くための手段です。まず「なぜ資格を取るのか」を明確にし、目的に合った資格を選びましょう。IT未経験者はITパスポート試験や基本情報技術者試験から始め、経験者は目指す分野の資格に進むのが一般的な流れです。
IPAの試験は2027年度から見直しが予定されているため、応用情報技術者試験や高度試験を目指す場合は、IPAの最新情報を確認してから受験計画を立てましょう。
学習計画を立てて効率的に取り組む
システム開発系の資格は出題範囲が広いため、やみくもに勉強を始めると非効率です。受験日から逆算して計画を立て、学ぶべき分野を整理しましょう。独学かスクール利用か、自分に合った学習方法を選ぶことも効率を高めるポイントです。
資格取得をスタートラインと考える
資格は知識を証明する手段であり、取得しただけでは現場で生かせません。資格取得で得た知識を、システム設計やアプリ開発、運用管理などの実務でどう使うかを意識して取り組むことが大切です。
まとめ
ITエンジニア(SE)向けの資格は、キャリア形成やスキル向上に役立ちます。未経験・基礎レベルならITパスポート試験や基本情報技術者試験から始め、経験を積んだら開発・設計、インフラ、セキュリティ、クラウドなど目指す分野の資格に進みましょう。IPAの試験は2027年度から見直しが予定されているため、最新情報の確認も欠かせません。
ただし、資格取得はゴールではなくスタートです。得た知識を実際のプロジェクトや業務に生かし、実務経験と組み合わせることではじめて成果につながります。
資格で得た知識を実務でどう活かせるかは、実際の開発プロジェクト事例を見るのが近道です。弊社の「アプリ開発事例集」では、Sun Asteriskが手掛けたプロジェクトの進め方や成果を紹介しています。キャリアの形成とあわせて、ご活用ください。
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よくある質問
Q システム開発の仕事に就くために、資格は必ず取得する必要がありますか?
Q エンジニア未経験者は、まずどの資格から取得すべきですか?
Q 経験者のシステムエンジニアにはどの資格がおすすめですか?
Q 情報処理技術者試験は2027年度からどう変わりますか?
Q 資格勉強を効率的に進めるための手順やコツはありますか?
Q 資格を取得する際に注意すべき点や、よくある勘違いはありますか?
Q 資格知識を実務で活かす具体的なイメージを持ちたいのですが、参考になる情報はありますか?

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